このガイドでは、ウィスキー樽の世界をわかりやすく紹介します。
バーボン樽やシェリー樽からミズナラ樽やポートワイン樽まで、さまざまな樽がウィスキーにどのような特徴や味を与えるのかを解説します。ウィスキー作りに欠かせない樽の素材について、一緒に学んでいきましょう。
バーボン樽:アメリカ産のオーク材で作られたウィスキー樽
材質:アメリカンオーク
バーボン樽は、アメリカでバーボンウィスキーを熟成させた樽を他のウィスキーに再利用します。現在のウィスキー熟成において主流な樽です。作られたウィスキーは深いコクと豊かな香りが特徴です。
材料はアメリカンオークで作られているため、バニラやココア、スパイスなどの香りがウィスキーに移り、複雑な風味を生み出します。
製造過程でバーボン樽の内側に火を入れて(チャーという)からウィスキーを詰めて熟成するため、樽自体から炭のような味わいが出ることもあります。なので、バーボン樽で熟成されたウィスキーは、口当たりが滑らかで独特のスモーキーさを甘みを持つ傾向があります
人気度は高く、入手性も比較的容易です。バーボンウィスキーの代表的な樽であり。価格は、中程度から高価です。
有名なお酒にはジャックダニエル、ジムビームなどがあります
製造的な側面
人気度は高く、入手性も比較的容易。樽価格は、中程度から高価です。
シェリー樽:シェリー酒で使われた樽を再利用したウィスキー樽
スペイン産のオーク材で作られたウィスキー樽
シェリー樽で熟成されたウイスキーは、深みのある甘い香りが特徴です。
シェリー樽には、オレンジの皮や干しブドウのような乾燥フルーツの香りが豊富に含まれており、独特の甘みやコクがウィスキーに溶けだします。
熟成されることで、ウイスキーの味わいにはスパイシーで芳醇なニュアンスが加わり、しっかりとした麦の風味が感じられます。さらに、オーク樽特有のバニラのような甘みも感じられ、口当たりはまろやかで滑らかな仕上がりとなっています。
シェリー樽で熟成されたウイスキーは、深い色合いを持ち、芳醇な香りと味わいが豊かであるため、多くのウイスキー好きに人気があります。
有名なお酒にはマッカラン、グレンフィディックなどがあります
製造的な側面
人気度は高く、入手性はやや難しいです。そのため、樽価格は、高価です。
オロロソ(Oloroso)
オロロソ樽で熟成されたウィスキーは、深い琥珀色で、豊かで複雑な香りを持ちます。樽から抽出されたバニラ、シナモン、チョコレート、ナッツ、ドライフルーツなどの香りが感じられ、また、オロロソ樽の独特の香りが加わります。口に含むと、濃厚でまろやかな味わいがあり、ドライフルーツやカラメル、コーヒーのような風味があります。また、シェリー樽と同様に、苦味やタンニンの成分が豊富に含まれているため、強い風味と渋みがあります。全体的に、オロロソ樽で熟成されたウィスキーは、重厚感があり、贅沢な味わいを楽しめるとされています。
ミズナラ樽:日本産のオーク材で作られたウィスキー樽
ミズナラ樽で熟成されたウイスキーは、深く複雑な味わいと豊かな香りが特徴です。
ミズナラは、日本原産の樫の木で、ヨーロッパのオーク樽よりも緻密で硬いため、より長い時間熟成させることができます。それによりミズナラ樽で熟成されたウイスキーは、非常に豊かな味わいを持ち、しっかりとしたタンニンの風味があります。
また、ミズナラ樽から抽出される香りは、バニラ、ココナッツ、シナモン、スパイスなどの香りが豊かで、ウイスキーの味わいを一層深みのあるものにします。
ミズナラ樽で熟成されたウイスキーは、特に日本のウイスキーで有名で最近世界から注目されて人気が急上昇したため原酒不足の傾向があります。
有名なお酒には山崎、シーガスリーガル、イチローズモルトなどでミズナラ樽を使っているものがあります。
(ミズナラ表記があります)
製造的な側面
人気度は高く、入手性はやや難しいです。そのため、樽価格は、高価です。
ワイン樽:赤ワイン、白ワインなどで使われた樽を再利用したウィスキー樽
ワイン樽で熟成させたウィスキーには、フルーティーで柔らかな味わいが特徴的です。
ワイン樽には、赤ワインやポートワイン、シャンパンなど様々な種類があり、それぞれ違った香りや風味を生み出します。
一般的に、赤ワイン樽で熟成されたウィスキーには、赤い果実の香りやスパイシーな風味が感じられます。
また、ポートワイン樽で熟成されたウィスキーには、ドライフルーツの香りや甘い風味があり、
シャンパン樽で熟成されたウィスキーには、フレッシュでフルーティーな香りや味わいがあります。
ワイン樽で熟成されたウィスキーは、他の樽で熟成されたウィスキーと比べると、より柔らかく、フルーティーな味わいが特徴的です。
有名なお酒にはグレンリベット、ベンリアッハなどがあります。
製造的な側面
人気度は高く、入手性はやや難しいです。価格は、中程度から高価です。
ポートワイン樽:ポートワインで使われた樽を再利用したウィスキー樽
ビール樽
ビール樽で作ったウィスキーには、ビールの風味が加わります。
ビール樽には、ビール醸造中に発生する酵母や微生物によって、特有のフレーバーや香りが付着しているため、それがウィスキーに溶けだします。
一般的に、ビール樽で熟成されたウィスキーは、芳醇な麦芽やキャラメルの香りがあり、フルーティーで甘味のある味わいが特徴です。ただ、ビール樽は比較的浅いため、ウィスキーの熟成が進むにつれ、ビール樽からの影響は少なくなる傾向があります。
ラム樽:ラム酒で使われた樽を再利用したウィスキー樽
ラム樽で熟成されたウィスキーは、甘くフルーティーな香りと味わいが特徴的です。
ラム樽は、ラム酒特有のその甘くフルーティーな香りと味わいがウィスキーに伝わります。
ラム樽にはキャラメルやバニラ、ココナッツなどの味わいも含まれており、ウィスキーに独特の風味をなります。
そのため、ラム樽で熟成されたウィスキーは、比較的甘口で飲みやすく、女性や初心者にも人気があります。ただ、ラム樽で熟成されることによってウィスキー自体がラム酒の香りや味わいで覆われてしまう場合もあります。
製造的な側面
人気度はやや低く、入手性は比較的容易です。スコッチウィスキーの熟成に使われます。
価格は、中程度から高価です。
長期的な熟成を行うとラム樽の影響を大きく受けすぎる場合があるので注意が必要です。
ブランデー樽:ブランデーで使われた樽を再利用したウィスキー樽
ブランデー樽で熟成されたウィスキーは、フルーティーで芳醇な香りが特徴的です。
ウィスキーに濃厚なバニラ、クリーミーなキャラメル、蜂蜜のような甘みになります。また、樽の中で微生物の働きによって産生される酸味も感じられることがあります。
ブランデー樽は比較的小さめのサイズのものが多く、同じ熟成期間のウィスキーで比べるとウィスキーに影響を与えやすくなっています。
ブランデー自体が香りが強いため、ウィスキーにもその香りが強く残ることが特徴的です。
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